環境に対する取り組み
ビールの製造工程は、その魅力的な風味や品質を確保するために多くのエネルギーを必要とします。たとえば、麦汁を煮沸する際には大量の熱エネルギーが必要であり、仕込み後の急冷や発酵・熟成のために、温度を精密に制御する冷却・保温エネルギーも不可欠です。また、発酵中に炭酸ガスを加える炭酸化工程や、清掃・洗浄のための温水利用など、多岐にわたるプロセスがエネルギーを消費します。
こうしたエネルギー集約的なビール製造に対し、当社では2017年に山梨県小菅村に源流醸造所を開設して以来、一貫して環境負荷の低減に取り組んできました。その根底には「地域資源と調和しながら持続可能なクラフトビール文化を創る」という理念があります。

容器内二次発酵とナチュラルカーボネーションによるCO₂使用量の削減
当社では、自然な炭酸(ナチュラルカーボネーション)を生み出す「容器内二次発酵」の技術を積極的に採用しています。これは、ビールを瓶や缶に詰めた後に微量の酵母と糖を加え、容器内で再発酵を行う手法です。この工程によって自然に炭酸ガスが生成されるため、工場での人工的な炭酸ガスの注入量が削減でき、二酸化炭素の使用量が大幅に削減されます。これは地球温暖化防止に貢献するだけでなく、味わいにも奥行きを与える手法です。
蒸気の再利用による熱の有効利用と臭気防止

ビールの仕込み中に発生する蒸気は、本来であれば排出されるだけのものです。しかし当社では、この蒸気を凝縮・液化し、お湯として再利用しています。これにより、仕込み工程での熱エネルギーを無駄なく活用できるほか、蒸気に含まれるホップや麦芽の香りが工場の外に拡散するのを防ぎ、周辺環境への配慮も行っています。特に小菅村のような自然環境豊かな地域では、景観や香りの保持にも細やかな配慮が求められます。
この取り組みは、大手ビールメーカーでは一般的ですが、クラフトビール業界ではまだ珍しく先進的な事例です。
食品ロス削減・アップサイクルへの取り組み

製造過程で生じるロスや、賞味期限の関係などで販売が難しくなったビールについては、廃棄するのではなく、新たな価値を持つ製品として再生する「アップサイクル」の取り組みを進めています。具体的には、これらのビールを蒸留し、スピリッツやリキュールとして生まれ変わらせることで、資源の無駄を極力減らしつつ、新たな市場価値を創出しています。
また、地域資源を活かしたアップサイクルにも力を入れており、山梨県内の農産物生産者と連携し、出荷規格から外れた農産物を副原料として活用する「Brewed with YAMANASHI」プロジェクトを展開しています。これまでに、桃や葡萄、トマト、米、小菅村産の梅など、多様な素材を用いた12種類の個性豊かなビールを開発してきました。これらのビールは、味わいのユニークさだけでなく、食品ロス削減や地域農業の支援といった社会的意義も評価され、多くの消費者から支持を集めています。
麦芽カスと副原料の100%資源化で廃棄ゼロを実現
ビール醸造後に残る「麦芽カス」は、クラフトビール業界では規模や保管設備の制約から産業廃棄物として処分されるケースが少なくありません。しかし当社では、この麦芽カスを 100%資源化 し、廃棄ゼロを達成しています。具体的には、小菅村で飼育されているヤギの飼料として無償提供するほか、動物用飼料として県外の牧場・畜産農家へも販売しています。これにより、廃棄物の削減と地域内・地域外の循環型資源活用を同時に実現しています。
さらに、ビールに使用された桃、梅、ぶどうなどの果実やハーブといった副原料についても、使用後にただ廃棄するのではなく、小菅村内の廃棄物処理施設を通じて堆肥化されます。こうして生まれた堆肥は「道の駅こすげ」で販売され、農作物の栽培に再活用されるなど、循環型の資源活用モデルが確立されています。
麦汁冷却によって発生する温水の再利用
麦汁の煮沸後には、発酵に適した温度に下げる必要があります。この冷却プロセスでは、逆に冷却装置により熱を吸収した水が温水として生成されます。当社では、この温水を無駄にせず、お湯タンクに回収して再利用しています。再利用先は主に次回の麦汁仕込みや、発酵タンクの洗浄、醸造設備の衛生管理などに活用されており、これによりボイラーの燃料使用量の抑制や水資源の有効活用が実現されています。
社会課題解決への取り組み
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馨和 KAGUA
「和の食卓に映えるかぐわしさ」をコンセプトに企画したオリジナルレシピで、日本を象徴するハーブである柚子と山椒を使い、パートナーであるベルギーの委託醸造所で醸造しています。小麦を使った華やかなエステル香とフレッシュな柚子の香りの「Blanc」と、ロースト麦芽を使ったスパイシーな山椒のアロマと香ばしいモルトの香りの「Rouge」、フレッシュでフルーティーな香りの「Saison」のラインナップ。ワインのように料理との相性によって楽しむことができるのが大きな特徴で、ミシュランガイドで星を獲得している有名人気店をはじめとして、海外のホテル・レストランのほか、和食店でもお取り扱いいただいております。
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Copperworks
Copperworks Distilling Company は、2013年にアメリカ・ワシントン州で設立した、シアトルのダウンタウン・ウォーターフロントにある蒸留所です。共同設立者兼蒸留者の Jason Parker と Micah Nutt は、両者ともクラフトビールの造り手でもあり、クラフトブルワリーでの経験を活かし、高品質のクラフトビールを蒸留してスピリッツにすることで大麦麦芽の可能性を探求するために Copperworks Distilling...